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Dec 08 2009
tiga:

asahi.com(朝日新聞社):放射性医薬品、供給ピンチ カナダ原子炉停止、輸入急減 - 医療・健康

乳がんや前立腺がんの転移の診断に使われる放射性医薬品の原料「モリブデン99」の供給がピンチに陥っている。100%輸入に頼っており、主要製造元のカナダの原子炉がトラブルで長期間、生産できないためだ。発売元の日本アイソトープ協会はオランダや南アフリカの原子炉から取り寄せているが、輸入量は4割ほどに落ち込み、医療現場ではすでに影響が出始めている。

 放射性医薬品は、特定の臓器や細胞に集まりやすい薬に微量の放射性同位元素(RI)を組み合わせたもの。静脈注射などで体内に入れ、目的の臓器や組織に集まったところで薬が放つ放射線を専用のカメラで撮影、画像化する。患者に苦痛はなく、脳や心臓の血流状態、腎臓の機能など様々な診断ができる。放射性医薬品を使った核医学検査は、全国約1300の病院や医療機関で年間100万件に上る。

 国内で供給される放射性医薬品の85%が、モリブデン99とそれを元に作られるテクネチウム99mで占めている。モリブデン99は、カナダ、オランダ、南アのほか、ベルギー、フランスの計5カ所の原子炉で世界の需要の90%以上が生産されている。とくにカナダは世界の3分の1を生産しているが、原子炉が重水漏れを起こし、今年末まで運転は再開できない見込みだ。

 放射性医薬品は、人体への影響を少なくするために放射線を出す能力が半分になる期間(半減期)が数時間から数日と短い同位体が使われる。そのため、薬としての寿命も短く、貯蔵できない。日本アイソトープ協会は、カナダからの供給が途絶えた5月末から、オランダや南アから急きょ取り寄せ始めた。だが、十分な量が確保できる保証がないのが現状だ。

 富山県の砺波総合病院では例年1カ月に140件前後あるRI検査が、5月以降3~4割に減った。絹谷啓子・核医学科部長は「検査ができるまで手術を延期したり、別の検査で代用したりしているが不便」と話す。日本核医学会(理事長・遠藤啓吾群馬大教授)は影響を調べるため、近くアンケートを始める。遠藤理事長は「ギリギリの状態で踏ん張っている医療機関が多い。ただ、現状を知っても改善は難しい」と頭を抱える。

 日本学術会議は昨夏、国内の原子炉や加速器を使ってRIを製造することを提言していた。日本原子力研究開発機構も廃炉予定だった材料試験炉「JMTR」(茨城県大洗町)を改修し、RIを製造する検討を始めているが、めどは立っていない。(香取啓介)

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asahi.com(朝日新聞社):放射性医薬品、供給ピンチ カナダ原子炉停止、輸入急減 - 医療・健康

乳がんや前立腺がんの転移の診断に使われる放射性医薬品の原料「モリブデン99」の供給がピンチに陥っている。100%輸入に頼っており、主要製造元のカナダの原子炉がトラブルで長期間、生産できないためだ。発売元の日本アイソトープ協会はオランダや南アフリカの原子炉から取り寄せているが、輸入量は4割ほどに落ち込み、医療現場ではすでに影響が出始めている。

 放射性医薬品は、特定の臓器や細胞に集まりやすい薬に微量の放射性同位元素(RI)を組み合わせたもの。静脈注射などで体内に入れ、目的の臓器や組織に集まったところで薬が放つ放射線を専用のカメラで撮影、画像化する。患者に苦痛はなく、脳や心臓の血流状態、腎臓の機能など様々な診断ができる。放射性医薬品を使った核医学検査は、全国約1300の病院や医療機関で年間100万件に上る。

 国内で供給される放射性医薬品の85%が、モリブデン99とそれを元に作られるテクネチウム99mで占めている。モリブデン99は、カナダ、オランダ、南アのほか、ベルギー、フランスの計5カ所の原子炉で世界の需要の90%以上が生産されている。とくにカナダは世界の3分の1を生産しているが、原子炉が重水漏れを起こし、今年末まで運転は再開できない見込みだ。

 放射性医薬品は、人体への影響を少なくするために放射線を出す能力が半分になる期間(半減期)が数時間から数日と短い同位体が使われる。そのため、薬としての寿命も短く、貯蔵できない。日本アイソトープ協会は、カナダからの供給が途絶えた5月末から、オランダや南アから急きょ取り寄せ始めた。だが、十分な量が確保できる保証がないのが現状だ。

 富山県の砺波総合病院では例年1カ月に140件前後あるRI検査が、5月以降3~4割に減った。絹谷啓子・核医学科部長は「検査ができるまで手術を延期したり、別の検査で代用したりしているが不便」と話す。日本核医学会(理事長・遠藤啓吾群馬大教授)は影響を調べるため、近くアンケートを始める。遠藤理事長は「ギリギリの状態で踏ん張っている医療機関が多い。ただ、現状を知っても改善は難しい」と頭を抱える。

 日本学術会議は昨夏、国内の原子炉や加速器を使ってRIを製造することを提言していた。日本原子力研究開発機構も廃炉予定だった材料試験炉「JMTR」(茨城県大洗町)を改修し、RIを製造する検討を始めているが、めどは立っていない。(香取啓介)

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